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ナツばあちゃんのお湯の話


『ヌカビラ・・・人の形をした崖』
アイヌの人々の言葉です。
その昔、雪が降り積もった山中で
こんこんと湧き出る温泉が
発見されるに至った歴史から、
温泉を守り継ぐ為の取り組みまで、
中村屋のお湯にまつわる
お話をお伝えしましょう。

 

昔々の大発見 お湯の効き目 混浴はいいもんだ 源泉かけ流し

混浴はいいもんだ

当宿の露天風呂は混浴です。

そもそも混浴とは日本古来の文化で、幾度となく禁止されては庶民がなし崩し的に破って存続させ、今日に至っています。そしてその先頭に立っていたのは常に女性だったのです。

元々日本の銭湯は混浴でした。『秩序によろしくない』と最も厳しく禁止された江戸時代でさえ、女性たちは『風呂だけは男女の分け隔てがなかったのに、冗談じゃない』と男湯に『ちょっと入れてよ!』と入っていったそうです。

また昔の銭湯は集会所としても使われ、なんとお見合いから政治演説まで行われていました。だから若い女性は着飾って行ったといいます。粋な文化ですね。

そして現在まで受け継がれている混浴の最大の魅力は、その刺激と深いリラックス効果ではないでしょうか。入る前は異性と一緒という緊張感がありますが、思い切って湯に浸かるとそれがほぐれていく・・・。その開放感がよりリラックスさせてくれるのです。見知らぬ人との裸の付き合いも、非日常を感じさせてくれるものの1つです。

皆裸なのに水着や湯浴み着で入る人もいますが、それでは周りの人がリラックスして楽しめないのではないでしょうか。「混浴」は「温水プール」ではありません。裸をまじまじと見たりせず、会話を楽しみ、お湯を愉しむ。自分が気持ちよく入りたいと思うのと同じように、相手にも気持ちよく入ってもらおうという、大人としてのマナーが試される場でもあるのです。

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